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論文「冬虫夏草と共生細菌

2018/06/14
霊芝・冬虫夏草 0
6/14 セミタケ冬虫夏草 国立研究開発法人 産業技術総合研究所の論文より 
 2018年6月12日発表
題名:セミの共生菌は冬虫夏草由来
-寄生関係から共生関係への進化を実証-
■ポイント
 ・多くのセミ類で本来の共生細菌が共生真菌に置換していることを発見
 ・これらの共生真菌はセミ寄生性冬虫夏草を起源として繰り返し進化してきたことを解明
 ・寄生と相利共生の間の生態的・進化的な連続性を実証

要約しますと、セミ類は、幼虫期に微生物の助けにより、わずかな植物の汁から大きくなります。幼虫の体内には「細菌胞塊」という共生器官に、矯正細菌をもっています。
体内で、菌を飼っていて、そのその菌に、わずかな栄養を合成してもらい、成長する過程でその共生菌を数回、置換していることが確認されました。
国内産のセミ24種中、15種類が冬虫夏草のセミタケ類に近い種類の最近が共生しているとの内容です。このことで、セミ類では、置換の状態により冬虫夏草が発生するメカニズムです。
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発表日:2018年6月12日
セミの共生菌は冬虫夏草由来
-寄生関係から共生関係への進化を実証-
 
■ポイント
 ・多くのセミ類で本来の共生細菌が共生真菌に置換していることを発見
 ・これらの共生真菌はセミ寄生性冬虫夏草を起源として繰り返し進化してきたことを解明
 ・寄生と相利共生の間の生態的・進化的な連続性を実証
■概要
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(産総研)生物プロセス研究部門【研究部門長 田村 具博】深津 武馬 首席研究員、同部門 生物共生進化機構研究グループ 森山 実 主任研究員と、国立大学法人 琉球大学【学長 大城 肇】 熱帯生物圏研究センター 松浦 優 助教(元産総研技術研修員)は共同で、米国モンタナ大学と協力して、日本産セミ類24種を調査し、うち15種が、冬虫夏草のセミタケ類にごく近縁の細胞内共生真菌と共生していることを明らかにした。
 従来、セミ類には2種の細胞内共生細菌サルシアとホジキニアが共生していることが知られていたが、今回、日本産セミ類ではホジキニアが失われて冬虫夏草由来の細胞内共生真菌へ置き換わる共生体置換が少なくとも3回起こり、共生真菌から別系統の共生真菌への共生体置換も複数回起こったと推定された。ほとんどのセミ類の共生真菌は培養困難であったが、ツクツクボウシの共生真菌の単離、培養に成功した。概要ゲノム配列を決定して、この共生真菌が、本来の共生細菌ホジキニアが供給する必須アミノ酸やビタミンの合成能力を持つことを確認した。
 今回、寄生関係から共生関係への進化が繰り返し起こったことが実証され、寄生微生物と共生微生物の間の予期せざる深い関係が明らかになった。冬虫夏草や近縁の菌類はしばしば漢方薬として利用され、免疫抑制剤など生理活性物質の産生菌としても知られており、主に亜熱帯地域に生息する多様なセミ類の共生真菌も新たな生物遺伝子資源として利用できる可能性がある。
 この成果は2018年6月11日(米国東部夏時間)に米国の学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences USA」(米国科学アカデミー紀要)にオンライン掲載される。
 ※参考画像は添付の関連資料を参照
■研究の社会的背景
 微生物を利用した物質生産や発酵などをはじめ、バイオテクノロジーは人間社会のさまざまな局面で役立っている。近年では、農業害虫や衛生害虫の生存や病害に体内微生物が重要な役割を果たしていることや、ヒトの健康や疾病に腸内細菌が無視できない影響を与えていることも判明し、生物の体内に存在する微生物の多彩な生物機能が注目されている。一方で、熱帯・亜熱帯地域に特有の生物多様性は、現在、人間の活動や気候変動の影響を受けてさまざまな危機に直面している。このような生物群においても、未知の高度な機能を有する微生物が共生していることは間違いなく、亜熱帯地域における多様な動植物と微生物の相互作用の解明や、共生微生物を含む生物資源の探索が今まさに求められている。
■研究の経緯
 アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシなどのセミ類は、特徴的な大きな鳴き声から夏の風物詩としてなじみがあるが、体内に複数の共生細菌との内部共生系を保有している。近年、主に米国のセミ類についての研究から、セミ類の体内には菌細胞塊という共生器官があり、その細胞内にサルシアとホジキニアという2種の細胞内共生細菌が局在することがわかってきた。セミ類は数年間の長い幼虫期にわたり、2種の共生細菌の助けにより、植物の汁(道管液)という栄養的に貧弱な食物から大きな体を作り上げると考えられてきた。今回、日本産セミ類の大半を網羅する24種について内部共生系を調べたところ、従来知られていなかった共生真菌を発見し、その微生物学的実体を解明するために詳細な研究を実施した。
 なお、本研究の一部は、文部科学省 科学研究費補助金および公益財団法人 発酵研究所 一般研究助成の支援を受けて実施した。

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スマートネット山本
Admin: スマートネット山本
私は、IT・WEBデザインの会社を営んでいます。一般企業や個人の農業創業・開業のお手伝いを行う機会がふえたことで、農業創業コンサルが主たる業務になりました。全国で活動実績があり、野菜・果実・キノコ栽培のスタートアップ一式業務、行政申請、補助金申請、資金調達支援を行っています。個人では無農薬米の栽培とキノコ栽培を行っています。また天然植物ホルモン液を活用した農業技術指導者を擁しており、2021年より国連ECOSOC/NGO団体と提携し世界の農業振興・教育に携わっております。儲かる農業をテーマに、短期で黒字化になる農業をご案内しております。
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